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2007年のコート・デュ・ローヌ地方の気候は複雑で、生産者たちにとって制御が難しいヴィンテージになりました。
2005年〜2006年の冬は寒い季節になったのに対して2006年〜2007年の冬はとても温暖で、実際この年の秋は平均気温12℃を記録しています。
10月の最高平均気温が23℃だったのに対して11月は20℃を超えた日も記録される等16℃と高く、この温暖な気候は114mmという恐ろしく低い降水量を伴いました。この事態から生育サイクルを再開させ、完璧な成熟に向かうのを妨げるかなり強い水分ストレスが発生します。
加えて秋にはピーク時には時速100kmを超えるスピードのミストラルも記録されました。
秋から続く旱魃は、残念な事に回復の兆しを見せるどころか冬に入っても平均降水量が70mmにも満たない等、一層増幅していきます。気温に関しても1月の最高平均気温が12℃、最低平均気温が3℃、いくつかの場所では19℃を観測する等、異様に暖かく、2、3月も同様に暖かい月となりました。
この暖かさから生育サイクルは早く3月20日には発芽が見られます。春も引き続き乾燥したスタートとなりましたが、4月に入ると恵みの雨が降り地中に水を貯える事が出来ました。しかしこの雨は周囲の熱と合わせてベト病等の病気を引き起こします。
4月の平均気温は25℃で、5、6月は雨の季節となり平均降水量を上回る230mmの雨が観測されました。この天候の中ブドウの生育は進み、生産者たちはブドウの凝縮感を高める為に摘芽をして収量をコントロールしていきます。
5月の第2週には最初の開花が見られましたが、一部の地域では例外的に3週間前に開花が始まっています。ヴェレゾンも早く6月20日と本格的な夏の訪れの前に始まりました。
夏には84mmしか雨が降らなかった事から地中の水分ストレスも強まり、時速100kmを超すミストラルが吹いたにもかかわらずブドウ畑に損害を与えるベト病を追い払うには至りません。そのため、2007年は選果が必須となり、収量は下がりました。
しかし結局のところ、このように水分ストレスの強かった年ながらも赤、白ワインともにバランスの取れた成熟を迎えます。
これは8月の終わりから9月の頭にかけて快晴に乾燥した北風、涼しい夜というブドウの成熟に最適な環境が続いた恩恵を受けたからで、コート・デュ・ローヌ全体でとても素晴らしい成功を収めました。
とりわけシャトーヌフ・デュ・パプにとっては最高の年になっています。